コラム

あなたのすぐそばに、Linux が… オープンソースソフトウェア(OSS)の「オープン」の意味

筆者:菅沼 誠人

サーバ
セキュリティ
プログラミング
OS
ソフトウェア

2016.09.28


「Linuxって、OSでしょ?サーバやコンピュータに入ってるんだよね」…いえいえ、そんなことありません。Linux は本当にあなたのすぐ後ろにやってきつつあります。いや、すでに持ち歩いているかもしれませんよ。Linux をはじめとするオープンソースソフトウェア(OSS)がなんで「オープン」なのか、ちょっと一緒に考えてみましょう。


まずはこの写真をご覧ください…ほら、見えませんか?


これは弊社、日本サード・パーティのトレーニングセンター内から撮った写真です。いろいろ物がありますが、実はここに Linux で動作する機材 がいくつもあります。

まず、この教室は Linux の教室のため、受講者用マシンが全て Linux です。また、左側に見えているノート PC は当方の作業用 Linux PC です。
これ以外に実は、もう1つあります。

真ん中に写っている 黒い板状の物体 がありますが、これが Linux です。これは NEC プラットフォームズ社製の MR04LN という モバイルルーター で、内部で Linux が動いています

製品の詳細は こちら(Aterm MR04LN) をご参照ください。

弊社トレーニングセンタ某教室から

なぜ Linux が動いているとわかるのか


では、なぜこの機器に Linux が動いているとわかったのかというと、この製品の ソースコードが公開されている からです。こういったソースコードが公開されているソフトウェアのことを、オープンソースソフトウェア(OSS) と言います。

ある製品に オープンソースソフトウェア(OSS) を使用した場合、細かい規定はいくつかありますが、基本的に 開発に使用したソフトウェアのソースコードを公開して、誰でも参照できるようにする必要 があります。
文字通り、オープンソースソフトウェア(OSS) は製品にそれらの機能を組み込めますが最終的に出来上がった製品に使用したソースコードもオープンに、つまり公開しなければなりません

このことにより、ソフトウェアの内部 がどうなっているのか、不具合やバグがないか など、ソースを公開することで他から参照されたり、使用されたり不具合などの指摘を受けることにより、製品がより良い物になる 可能性が期待できます。
 

公開されているソースコードを、実際に見てみよう


例えば先の MR04LN の場合、製品の Web ページから ソースコードを参照 することができます。

詳細を省きますが、こちら からダウンロードできます。
tar.gz 形式のファイルのサイズが 1GB 近くあるので、帯域によってはダウンロードに相当の時間がかかる場合があります、ご注意ください。

展開すると以下のように更に tar.gz 形式のファイルがソフトウェアごとにまとまって表示 されます。その中に kernel.tar.gz があり、これが Linux カーネルそのもののソースコード になります。ここから更にたどり、最終的に バージョン 3.x 台のカーネルを使用 していることがわかります。

kernel.tar.gz が見えます
kernel.tar.gz をさらに展開して、カーネルのソースコードにアクセスできます

テレビ、HDD レコーダ、ルータ、ストレージ etc...


このように、実際の 電子機器のソフトウェアに Linux を組み込んで出荷する ということが行われており、特に AV機器やルータなどの一部の家電製品では、かなり前から Linux を組み込んで出荷するということが既に当たり前 のように行われております。

それに伴って ソースコードも公開、配布 されています。
以下は製品にオープンソースソフトウェアを使用している企業が、そのソースコードを公開あるいは、それに関連している URL を列挙したものです。(敬称略)

Sony
http://oss.sony.net/Products/Linux/common/search.html

SHARP
http://www.sharp.co.jp/support/aquos/source/download/index.html

Panasonic
http://panasonic.net/avc/oss/index.html
http://www.p-smart.net/mobile/gpl/index.html

TOSHIBA
(一部製品について郵送で依頼するようです)
http://www.toshiba.co.jp/cl/pro/gf8000/source.htm

Buffalo
http://opensource.buffalo.jp/

I-O DATA
(郵送で依頼するようです)
http://www.iodata.jp/support/qanda/answer/s12850.htm

ELECOM
(郵送で依頼するようです)
http://qa.elecom.co.jp/faq_detail.html?category=&page=1&id=4698

以上は筆者がざっと調べた一部です。この他にもたくさんの製品のソースコードが公開されています。
 

あなたは Linux を持ち歩いている


皆さん、携帯電話 をお持ちだと思いますが、一部に Linux が使われています。
Android という言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、日本では iPhone に次ぐシェアを獲得しているスマートフォンであることはご存知の通りと思います。

そのベースのソースコードも公開されていて、誰でも見ることができます。

Downloading the Source
http://source.android.com/source/downloading.html

各携帯電話機器メーカはこのソースを元にして、自社でのカスタマイズをいくつか加えた後に、製品として出荷しています。
 

おわりに


いかがでしたでしょうか。
Linux は別にどこか別の世界の話ではなく、実際に我々の生活に深く関わりつつあります

製品の開発サイクルは、新製品を出すためにどんどん短くなってきています。
メーカは新たに、ソフトウェアを1から作るのではなく、既に出来上がっているものに手を加えて出荷 することで 開発期間の短縮やコストの削減 を見込めます。

また、上記で説明しましたが、ソースコードを公開することでのメリットもあります。
今後、ますますこのようにオープンソースソフトウェアを使用した製品が出荷される ことであろうと思われます。
ほら、あなたのすぐそばに、もう近づいてきているかもしれませんよ。

弊社では Red Hat 社のトレーニングを毎週開催しております。
Linux の基礎から、Openstack などを始めとするクラウド、仮想化、ストレージなど 多岐にわたって展開しております。 コース内容やスケジュールについては、弊社教育部のWebサイトをご覧ください。

弊社教育部Webサイトは こちら

また、ご不明な点などございましたら、いつでもお問い合わせください。
皆さんの今後の Linux の学習に少しでもお役に立てればと思います。


【参考出典】
テレビやケータイのソースコードをダウンロードしてみよう
薄型テレビを制したLinux,開発現場の“守護霊”と“中央線”

※おことわり※
このコラムは 2017/03 頃の情報を元に執筆しています。
今後の情勢で将来的に、掲載されている内容が最終的にリリースされたものと異なる場合があります。
提示されている弊社ドメイン外の URL は将来的に掲載先の意向、廃止または移動などにより、内容の変更及び参照不可になる場合があります。

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筆者紹介

菅沼 誠人

プロフィール

菅沼 誠人(Masato Suganuma)

RedHat社を始めとする各種 Linux
Unix システム管理全般を担当してウン年
会社の隅に転がっていたノートPCに
Fedora を入れて某OSの侵攻にもめげずに
今日も布教活動に勤しむ毎日

最近、マイノートの液晶が一部映らなくなり
毎日がアタックチャンスです。


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