コラム

生産管理の基礎 ~これだけは押さえたい3つのポイント~

筆者:渡辺 悟史

ERP

2016.12.27


「生産管理」と聞いて、みなさんはどんなイメージがつくでしょうか?生産管理システムに入力し、画面とにらめっこ…そんなことを想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はどんなことを行っているのでしょうか。このコラムでは、「生産管理の基礎」をご紹介。目的と、実際に行っている3つのことをご紹介したいと思います。


生産管理とは


生産とは「加工対象物に対して、エネルギーを加えて目的に合うように変形、変質させること」です。
生産を始めるにあたっては、何を作るかを明確にしなければなりません。ただ、生産をすればいいわけではなく、納期を正確に守ることもしなければなりませんし、製造にかかるコストを安くしなければなりませんし、不良品は作らないようにしなければなりません。
そのためには「製品の納期や数量、原価、品質などをあらかじめ計画をしておきその通りに作る仕組み」が必要になります。
これが 生産管理 になります。

生産管理の目的


まず生産するにあたって、買い手がいないのにモノを作っても意味がありません。つまり製品を提供する売り手は買い手のニーズを理解し、その満足を得るようなサービスを心掛ける ことが必要です。もちろんサービスには限界がありますし、売り手としては適正な利益をあげていく必要があります。

買い手としては、「できるだけ安くしてほしい」「品質が優れたものがほしい」「早く届けてほしい」など様々な要求をしてきます。売り手はこのような要求を無制限に受け入れるわけにはいきません。本当に良い製品を作るためには、いい材料を使ったり作業工程が増えたり必要以上にコストがかかります。また先着の仕事が詰まっていれば、希望通りの納期に届けることはできません。

売り手としては、「赤字にならないようにコストをさげたい」「良い製品は作るための努力はするが、過剰な品質にならないようにしたい」「納期に遅れないようにスケジュールを調整する」などと考えていくことになります。

このように売り手と買い手の間の利害は合わないことも多いですが、できるだけ矛盾を調整して買い手側の満足を得られるようにしていきます。生産管理 にとっては、この買い手の満足度が重要な要素 になってきます。つまり、優れた品質を低いコストで、納期通りに作ることが目的 になります。

生産管理すること ① 生産計画


生産管理とは、具体的に何をするのでしょうか?
まずは計画を立てる ことです。生産計画によって、現場の責任者は各部門に生産の具体的な指示を出します。また納期通りに生産するために、現時点から納期という将来のある時点に至るまでのどの順番で何を行うかを決めます。今すぐやること、明日からやること、来週からやることなどスケジュールすることが必要になります。これらを事前にすることによって、効率よく生産工程を進めていくことができるようになります。

材料の計画を立てていくことによって、何を、いくつ、いつまでに 調達 しておかなければならないかを計算しておきます。何種類もの製品を作っているわけですし、当該製品の納期が遅れないようにしなければならないので、生産スケジュールに合わせて計画 をしておきます。

生産管理すること ② 手配


次は、手配をすることです。
例えば生産するために必要な材料は常備品 として在庫されているものなのか、それともその都度注文 して調達するのか考えなければならないです。常備品として在庫されているものであれば、在庫が足りなくなりそうなところで手配を掛ける必要がありますし、その都度注文するようなものであれば生産が決まった時点で手配を掛けることになります。注文をするときには、どこの取引先にするのか、自社の品質基準に見合うものを納品してくれるのか、納期を守ってくれるのかなど考えなければならないことがあります。

生産工程の一部を外部に委託 して作業してもらう場合も、作業を委託するために取引先に注文をします。場合によっては作業を委託するときに、材料を支給して作業をしてもらうこともあります。その材料の手配もしなければならないです。

工場内でも手配は必要です。作業工程や作業者ごとに作業を指示するために作業票を発行したり、材料倉庫に対して材料を出庫するために出庫票などを発行したりします。最終的に印刷して渡すのか、ハンディーターミナルなどの機器に転送するなどします。
つまり生産計画が立案された後にも、生産をするメンバー全員に作業方法、作業開始予定日、作業終了予定日、材料、数量などを示す 必要があります。

生産管理すること ③ 進捗管理


生産管理で行うことの3つ目は、次に進捗を管理することです。

計画を立てたら、それを着実に実行しますが、大切なことは計画の実行度合いをチェックすることです。いくらいい計画を立てても、それを実行しなければ意味のないことになります。
生産計画を立て、その通りに実行されたかを確認し、もし遅れているようであれば挽回するための対策を講じる必要があります。挽回できないのであれば、生産計画を見直さなければならない場合もでてきます。

進捗を管理することとは、もちろん 計画と実績の差を確認していくこと です。5日で生産できるものが7日かかれば、最終的に取引先への納品が遅れることもあります。その差異の原因を調査し、今後の生産に生かしていくことも大切です。そして、いつ、何が、どこに、いくつあるのかを明確にしておく必要があります。例えば、材料の現品管理ができていないと、生産するときに材料が見つからず進捗が遅れることになりかねません。

生産の分類


生産の方法として見込生産受注生産というものがあります。

見込生産とは、予測(見込)に従ってあらかじめ生産しておいて在庫を作り、販売をする方法で、受注生産とは、注文を受けてから生産を始めて、販売をする方法 です。見込生産とは大量に生産されるようなものに使われることが多く、受注生産は少量生産に使われることが多いです。

工場としては、見込生産より受注生産をしたい です。予測を立てていくため過不足が発生することになるためです。ただ、取引先への納品までに時間がかかることになり、満足度が下がるだけでなく商機を逸することになることもあります。継続的に売れているものに対して受注生産を行うとその時々で段取り替えをすることになり、効率的な生産ができなくなります。

納期が長くても問題なく、継続的に売れるようなものではない場合は受注生産のほうが向いています。余分に作ることもないので在庫が余るようなことはないですし、取引先の要望に合わせた製品を作って納品することもできます。
そのため、商品の特性によって、生産計画を立てて管理をしていくものと、注文を受けてから生産を始めるものを、その特徴からわけて管理をしていくことが必要 になってくるわけです。

最後に


いかがでしたでしょうか。今回は、「生産管理の基礎」 として、主に工場での生産管理を例にとってご紹介をしました。その中で、生産管理には、「生産計画」「手配」「進捗管理」 の3つが必要だということが分かりました。

この考え方は、生産管理のみならず、開発などのプロジェクト管理、日々の業務プロセスのマネジメントなどでも応用することができますね。ぜひ、そんなところにもこの考え方を活かしてもらえたらと思います。

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筆者紹介

渡辺 悟史

プロフィール

渡辺 悟史(Satoshi Watanabe)

ロジスティクス関連のERP (購買、生産、販売、保全)のトレーナーをしています。

10年ほどロジスティクスを中心にインストラクタをしています。
最近は会計も担当するようになり、
幅広い知識を得られるように頑張っています。


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