コラム

「ITエンジニア力」を作り上げる能力 ~「スキル」と「コンピテンシー」~

筆者:草野 保裕

JTPだより

2017.01.05


「スキル」と「コンピテンシー」。 ITエンジニアにとって、自身の価値を客観的かつ正当に評価してもらうために、スキルレベルを高めることは、とても重要です。 企業にとって、従業員ひとりひとりを評価するうえで、「スキル」と並び、評価の軸に「コンピテンシー」を加えることが多くなってきました。 この「コンピテンシー」とは一体どんなものでしょう。また、「スキル」との関係は? 人事考課で耳にすることの多い、2つのキーワードについて、ITエンジニアとしての観点と、企業の人材育成という観点から考えてみましょう。


「スキル」と「コンピテンシー」は別物?


ITサービスのビジネスでは「スキル」 は、特定の製品・サービスの適用ノウハウ や 特定のプログラミング言語などの要素スキル で語られることが多くあります。

高いレベルのスキルを持つということは、プロフェッショナルとしての高い価値を提供するということを表し、ITエンジニアの価値を客観的かつ正当に評価させることにつながります。そのためには、単に 技術的なスキル が高いというだけでなく、コミュニケーションやリーダーシップなど 人間系のスキル の高さも重要です。

「コンピテンシー」 とは、現場で高い業績(成果)を上げる人材の観察から見出される 「行動特性」 のことで、コンピテンシーを重視する昨今の人材開発の考えでは、成果に結びつかせる行動をすること が重要視されます。
また、そのような行動を コンピテンシーモデル として専門分野毎に整理して、人材開発に生かそうとする傾向が見られます。

コンピテンシーは、各企業の目的や職種、職務により異なりますが、最近では、部署、役職にかかわらず、共通のコンピテンシーとしての定義も可能だと考えられ、コア・コンピテンシー として定義されることもあるようです。
信頼の獲得、チームワーク、成果の追求、チャレンジ精神、意思決定/判断、創造性や革新性など、企業ごとに求める基準を定め、成果につなげるための能力を持つかの判断に用います。

「スキル」 は「知る」「理解する」、言わば 潜在的能力 の要素であり、一方 「コンピテンシー」 は、そのスキルを活用して「できる」または、「成果につながる」ための能力で、顕在化または、発揮能力 と言えるでしょう。

企業は、双方の能力をバランスよく供える人材を高く評価し、また、そのような人材を育成したいと考えているのです。

「スキル」を高めるために、まず「スキル」を理解する


知っていても、理解していても、それが業績に結び付かないことには、企業としての評価には至らないかもしれません。
ITエンジニアがスキルを高めようとする際には、企業が目指す方向や戦略、それを実現するための技術 が何なのか、しっかりと見極める必要があります。
今まで以上に、社会や企業の動向に敏感であること も求められます。

また、同時に 「自分が今どんなスキルを持っているのか」 を正しく把握する必要もあります。自分は「理解しているつもり」であっても、実はそれが正しい理解でない場合も大いにあります。

そんなときに活用できるものが、「アセスメントツール」 です。アセスメントでは、資格では「合否」でしか測ることのできないスキルを、得点として把握することによって、分野ごとの現状のスキルを可視化することができる のです。

例えば、ITスキルのアセスメントの一つとして、ITスキルアセスメント「GAIT」 (ゲイト)があります。

GAIT は、エンジニアのITスキルを7フィールド22カテゴリ で点数化 します。これにより各エンジニアの 得意な分野・苦手な分野を把握 することが可能です。スコアを客観的に評価することにより、受験者自身や人事担当者・技術が受験者の強み弱みを把握・分析し、どの技術研修を受けるべきか、客観的に判断する指標ができます。効果的なスキル把握のために、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

最後に


今回は、「スキル」と「コンピテンシー」についてお送りしました。いかがでしたでしょうか。一言に「能力」といっても、技術的・人間力的なノウハウを指す 「スキル」 と、その「スキル」をしっかりと成果に結びつけるための能力である 「コンピテンシー」 があることがわかりました。
また、これらを向上させるための方法の一つとして、「アセスメントツール」の活用によって現状のスキルを把握することが大切です。

ぜひ、今後の「ITエンジニア力」の向上にお役に立てればと思います。

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筆者紹介

草野 保裕

プロフィール

草野 保裕 (Yasuhiro Kusano)

ERP製品のインストラクターです。

Sierでのプログラム開発を経て、ERPの世界に。
導入プロジェクトやバージョンアッププロジェクトでの経験も活かし、お客様のご要望に沿うお話ができるよう心がけています。

陸・海・空の乗り物が好きです。


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