日商エレクトロニクス様では、2018年度の新入社員27名に対して、2週間の技術研修を行いました。
導入事例目次
会社名 | |
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本社 | 東京都千代田区二番町3-5 |
設立 | 1969年 |
従業員数 | (連結)1,059名 (個別)811名 (2018年3月31日現在) |
概要 | 1969年設立、総合商社 双日グループのICT事業の中核を担う商社系システムインテグレーターです。 |
今回の技術研修導入の経緯から、実際の研修、そして研修後のご感想などをお伺いしました。
Interviewer(I):昨年度までの新人研修はどのようなものでしたでしょうか?
日商エレクトロニクス様(N):昨年度までは、約三週間で新人研修として弊社の事業内容や会社内での基本的なルール、ビジネスマナーやPDCAサイクル・報連相の考え方・回し方について学ぶ研修を行っていました。
その後は配属先ごとに、必要な技術について外部の研修や社内の勉強会を通じて各々学ぶという流れになっていました。
I:今年度はだいぶ大きく変わったようですが、どのような背景があったのでしょうか?
N:弊社は、ICTインフラから業務アプリケーション、ERPまで多岐にわたる技術分野の商材を幅広に取り扱っております。
これまでの配属部署ごとに技術研修を実施するスタイルではどうしても部署で扱っている分野を中心とした研修となってしまい、ICTの基礎技術を広く習得させる機会を提供できていないことが課題でした。
弊社社員として営業・エンジニア・コーポレートなど職種や配属先の部署問わず、技術分野に偏らない網羅的なICT基礎技術知識のベース作りを行いたいと考え、今年は例年の三週間の新人研修にさらにプラスして、技術研修を行うことを決定しました。
弊社では「CDP(キャリアディベロップメントプログラム)」という制度があり、若手社員は毎年自身のキャリアをどう形成していきたいか自己申告する機会があります。また、この制度にも関連し、若手のうちに複数の環境下で経験を積ませるため、人事制度で1回以上の異動を必須としていることもあり、入社後のキャリアステップを考える際に役立てて欲しいとの思いもありました。
コース名 | |
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対象者 | 2018年度新入社員 27名 |
受講日数 | 5日間 |
学習目標 | 各フィールドにおける基礎用語や基本概念を理解し、IT関連業務に従事するための基礎力を身に着ける |
コース内容 | ■ OS基礎 ■ ネットワーク ■セキュリティ/ストレージ/仮想化技術 ■ストレージ ■仮想化技術 ■データベース ■アプリケーション ■【GAIT受験】 |
コース名 | |
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対象者 | 2018年度新入社員 27名 |
受講日数 | 5日間 |
学習目標 |
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コース内容 | 導入:自社の強みを考えよう ■提案プロセスの理解 ■RFP(提案依頼書)とは ■要求事項を洗い出してみよう ■ヒアリング演習 ■提案書にまとめる ■プレゼンテーション基礎 ■成果発表会 |
I:前半のIT基礎速習はかなり広範囲の内容を1週間という短い時間で学んだと思いますが、いかがでしたでしょうか?
N:範囲が広いため、アンケートでも「全部は理解できなかった」というような声もありました。研修担当としてもこの一週間ですべてを完璧に理解させようとは考えておらず、この研修を通じて、基礎的な技術用語の意味や概要を知って理解することを目的としていました。その成果は充分に見られ、さらに今後業務に応じて自分で調べるための底力がついたと感じています。
また、研修の中で自分のためのICT用語事典を作るというのもあり、作った事典を研修後も継続して充実させているようです。「まずは自分で調べる」という習慣がついたのがとてもよかったです。
I:後半の「ソリューション提案研修」は内容的にかなりレベルも高く、弊社の他のお客様では中堅の方に受講させる会社も多いのですが、こちらはいかがでしたでしょうか?
N:架空のRFPを元にICTソリューション提案に重要となる、真の顧客要求事項をどのように理解するか、それをどのような技術を採用して解決し、どう提案書にまとめるか?というような研修内容ですから、確かに現場経験のない新入社員にはレベルの高いものでした。
しかし、シミュレーションを通じて、実際の現場ではお客様の要望がすべてRFPにきちんと書かれているわけではないことや、足りないことは自分でヒアリングをしなくてはならないこと、提出期限が非常に厳しい、正解が一つではない…ということなど身をもって実感し、学ぶことができたようです。
また、この研修はグループで課題に取り組むため、チームワークやチーム内コミュニケーションが非常に重要なものでした。職種の垣根を超えてそれぞれが連携を取りながら一つのプロジェクトに取り組むというスタイルは実際のビジネス現場でも当たり前に行われています。このあたりの疑似体験が出来たことは今後にも活きてくると思いますし、研修内でもそれぞれチームごとに個性が出て非常に面白いものとなったと感じています。
I:今回は研修+GAIT受験ということでしたが、 このあたりいかがでしたでしょうか?
N:GAITはICT業界で活躍しているエンジニアも多数受検しているスキルアセスメントツールですから、レベルの高い試験問題もかなり含まれており、今回の研修内容にGAITの範囲が全て網羅されているわけではないので、 今回の試験で各個人のスキルを測るというわけではありません。
ただし一回の試験でも、技術分野ごとの大まかな正答率が図れますので、その中で自分が深く理解出来た分野や苦手分野がわかること、また例えば1年後、3年後と再度GAITを受験した際に、成長の度合いを定量的に図ることが出来ることなどが今回のGAIT受験の目的です。
I:今回の研修実施にあたり、次回はここをもっと改善してほしいというような弊社JTPへのご要望があれば、ぜひ教えてください。
N:ソリューション提案研修は、完璧な答えはない、正解が複数あるというのがビジネス経験のまだない新入社員にはなかなか理解し難いようだと研修を見ていて感じました。
プレゼンテーションへの個人別のフィードバックは、時間的に難しいと思いますが、もう少し時間が取れるのであればグループごとのプレゼンテーションに対する講評を講師の方よりいただき、「ここの部分はこう改善するとよかった」、「XXの部分はよくできていた‥」などの具体的なフィードバックがあると、より腑に落ちやすいかと思います。