
SAP 認定資格は、2026年10月現在、全部で99個あります。前回の「アプリケーション編」では、アプリケーション系の5つの資格を取り上げました。今回は、「テクニカル系」の中でも受験者の多い5つの資格を取り上げ、合格までのラーニングジャーニーをご紹介します。
今回ご紹介する5つの認定資格は以下のとおりです。なお、いずれも SAP BTP、ABAP、SAP Fiori、SAP HANA といった、開発やシステム基盤の技術を対象にしたものです。
SAP では、資格取得に必要な学習コースと、その受講の順序を示したものを「ラーニングジャーニー」と呼んでいます。各資格のラーニングジャーニーは、SAP のオンライン学習ポータル「SAP Learning」(learning.sap.com)で、誰でも無料で確認できます。
本コラムでは、ラーニングジャーニーに加えて、公式サイトだけでは分からない情報を二つ整理しました。一つは代替コース、もう一つは講師主導型トレーニングとして実際に受講できるコースです。
目次
C_CPE は、SAP BTP 上のバックエンド開発者としての実践力を証明する資格です。SAP BTP の上で、SAP 標準の外側に拡張アプリケーションを作る分野です。ラーニングジャーニーでは、CAP の基本を押さえたうえで、開発環境、Cloud Foundry ランタイム、Kyma ランタイムと、BTP 上の開発の主な領域を一通り学びます。
受講の前提となるコースは以下のとおりです。いずれも SAP Learning で学べる初心者向けのコースです。
| コース | コース名 | 内容 |
|---|---|---|
| MCC100 | Managing Clean Core for SAP S/4HANA Cloud (現在のコース名:Managing Clean Core for SAP Cloud ERP) | クリーンコアの基本 |
| CAP100 | Introduction to SAP Cloud Application Programming Model | CAP の基本 |
ラーニングジャーニーは以下のとおりです。
| 順序 | コース | コース名 | 代替コース |
|---|---|---|---|
| 1 | CLD200 | Develop extensions with CAP following the SAP BTP Developer’s Guide | - |
| 2 | BAS400 | Develop cloud applications using SAP Business Application Studio | CLD200 |
| 3 | CF400 | Developing Applications for SAP BTP, Cloud Foundry runtime | CLD200 |
| 4 | KYM400 | Developing Applications in SAP BTP, Kyma Runtime | CLD200 |
SAP Learning 上のラーニングジャーニーはこちらです。
表の「代替コース」欄には、ほぼ同じ内容を受講できる別のコースコードを記載しています。
また、コースコードにリンクが付いているものは、JTP の講師主導型トレーニングとして受講できるコースです。講師主導型であれば、基礎から順を追って体系的に学べるうえ、分からない点もその場で講師に確認できます。一方、リンクのないコースは、SAP Learning や SAP Learning Hub を使って自己学習していただく形になります。
C_CPI は、インテグレーション開発者としての実践力を証明する資格です。SAP Integration Suite を使って、システム同士やクラウドサービス間のデータ連携を作る分野です。ラーニングジャーニーでは、SAP Integration Suite の全体像を学びます。
受講の前提となるコースは以下のとおりです。いずれも SAP Learning で学べる初心者向けのコースです。
| コース | コース名 | 内容 |
|---|---|---|
| BTP100 | Exploring SAP Business Technology Platform | SAP BTP の全体像 |
| MCC100(必須) | Managing Clean Core for SAP S/4HANA Cloud (現在のコース名:Managing Clean Core for SAP Cloud ERP) | クリーンコアの基本 |
ラーニングジャーニーは以下のとおりです。
| 順序 | コース | コース名 | 代替コース |
|---|---|---|---|
| 1 | CLD900 | SAP Cloud Platform Integration Service Overview | - |
なお、CLD900 のコース名にある「SAP Cloud Platform」は、SAP BTP の以前の名称です。コース名は、この古い名称のまま変わっていません。
SAP Learning 上のラーニングジャーニーはこちらです。
コースコードにリンクが付いているものは、JTP の講師主導型トレーニングとして受講できるコースです。講師主導型であれば、基礎から順を追って体系的に学べるうえ、分からない点もその場で講師に確認できます。一方、リンクのないコースは、SAP Learning や SAP Learning Hub を使って自己学習していただく形になります。
C_ABAPD は、ABAP 開発者としての実践力を証明する資格です。ABAP は SAP 独自のプログラミング言語です。ABAP Cloud は、S/4HANA のクラウド時代に合わせた ABAP の開発方式です。ラーニングジャーニーでは、ABAP の基本文法を押さえたうえで、応用的なプログラミング、データモデルの作成、クリーンコアに沿った拡張と、ABAP Cloud 開発の主な領域を一通り学びます。
ラーニングジャーニーには、受講の前提として挙げられているコースはありません。
| 順序 | コース | コース名 | 代替コース |
|---|---|---|---|
| 1 | S4D400 | Learning Basic ABAP Programming | - |
| 2 | S4D401 | Deepening Your ABAP Programming Knowledge | - |
| 3 | S4D430 | Building Data Models with the ABAP Dictionary and ABAP Core Data Services | - |
| 4 | S4D426 | Practicing Clean Core Extensibility for SAP S/4HANA Cloud | S4D425 |
SAP Learning 上のラーニングジャーニーはこちらです。
表の「代替コース」欄には、ほぼ同じ内容を受講できる別のコースコードを記載しています。
また、コースコードにリンクが付いているものは、JTP の講師主導型トレーニングとして受講できるコースです。講師主導型であれば、基礎から順を追って体系的に学べるうえ、分からない点もその場で講師に確認できます。一方、リンクのないコースは、SAP Learning や SAP Learning Hub を使って自己学習していただく形になります。
C_FIOAD は、SAP Fiori のシステム管理者としての実践力を証明する資格です。SAP Fiori を、利用者が使える状態に整える分野です。ラーニングジャーニーでは、SAP Fiori の基本を押さえたうえで、システム環境の準備、アプリの有効化、セキュリティ、運用管理と、Fiori のシステム管理の主な領域を一通り学びます。
ラーニングジャーニーには、受講の前提として挙げられているコースはありません。
SAP Learning 上のラーニングジャーニーはこちらです。
コースコードにリンクが付いているものは、JTP の講師主導型トレーニングとして受講できるコースです。講師主導型であれば、基礎から順を追って体系的に学べるうえ、分からない点もその場で講師に確認できます。
C_DBADM は、SAP HANA のデータベース管理者としての実践力を証明する資格です。SAP HANA の構築から運用までを担う分野です。ラーニングジャーニーでは、SAP HANA Cloud の構築と管理を押さえたうえで、SAP HANA Cloud への移行、オンプレミス版のインストールと管理と、データベース管理の主な領域を一通り学びます。
ラーニングジャーニーには、受講の前提として Linux とデータベースの基礎知識が挙げられています。特定のコースではなく、一般的な基礎知識として求められているものです。
| 順序 | コース | コース名 | 代替コース |
|---|---|---|---|
| 1 | HC200 | Provisioning and Administering Databases in SAP HANA Cloud | - |
| 2 | HA2HC | Migrating SAP HANA to SAP HANA Cloud | - |
| 3 | HA200 | SAP HANA – Installation and Administration | - |
SAP Learning 上のラーニングジャーニーはこちらです。
コースコードにリンクが付いているものは、JTP の講師主導型トレーニングとして受講できるコースです。講師主導型であれば、基礎から順を追って体系的に学べるうえ、分からない点もその場で講師に確認できます。一方、リンクのないコースは、SAP Learning や SAP Learning Hub を使って自己学習していただく形になります。
SAP 認定試験は、知識を測る形式から、実践力を測る新しい形式に変わりました。新しい形式には、実際の SAP システムを操作する「システムベース」と、AI との対話で進める「シナリオベース」の二つがあります。
それぞれの詳しい内容は、コラム「SAP認定資格とはなにか」でご紹介しています。あわせてご覧ください。
なお、今回ご紹介した5つの認定資格は、いずれもシステムベースの試験となっています(2026年9月現在)。また、C_ABAPD の試験は、現在ベータ版として提供されています。ベータ版のため、出題内容や試験時間が今後変わる可能性があります。試験形式も今後、シナリオベースに変わる可能性がありますので、受験前には最新の情報をご確認ください。
次回以降は、各資格の具体的な勉強の仕方をご紹介する予定です。