コラム

「いちエンジニアとたくさんの外国語(とくに英語以外)」その1 余は如何にして外国語マニアとなりし乎

筆者:千田 泰史

JTPだより

2017.02.22


この連載は、英語から逃避して、英語以外の言語習得をいろいろ試しているうちに英語の理解が捗るようになったことに気づいて、そこから多言語学習の面白さを追求するようになった筆者の体験記です。21世紀の現在、ITに関連する業務のうえでも外国の情報や外国の方々と関わることが非常に多くなってきています。一定レベルの英語を習得することで、そうしたニーズに幅広く応えることができます。しかしながら、外国語マニアを自認する筆者からすると、それだけではもの足りないなと常々考えています。これから数回にかけて、主に英語以外の外国語に対して私がどのように取り組んできたのか、そしてそのような取り組みで何を得てきたのかをお伝えします。


筆者について


みなさん、こんにちは。千田泰史です。身近な人ならご存知でしょうが、私は 外国語マニア です。

しかし、思い出してみると、恥ずかしながら、たとえば高校時代は英語で赤点を何度か喰らったことがあるために強い苦手意識に苛まれていたこともあるくらいで、決して所謂「語学の才」があったわけではありません。ふつうに考えれば、「才能に恵まれなかったと感じるものごと」についてはなかなか上達につながらないものですから「好き」になんてなりようがないし、ましてやマニアになるほどの情熱は涌いてこないものでしょう。ただ、私はそうではありませんでした。

なぜこれほど外国語学習が面白いのかいつも自分でも不思議に感じていたので、ここでふと立ち止まって自分の外国語学習に対する渇望の源泉について考えてみようと思い立ち、この記事を物することにしました。読者の皆さんのなかにはひょっとしたら、いま業務上の必要に迫られて外国語の学習をイヤイヤながら行っている人もいらっしゃるかもしれません。このコラムがそういう方にとってのモチベーション発見へのヒントとなれば幸いです。

英語こわい

「外国語マニア」への蔑み


この連載の結論は一貫しています。それは「英語が苦手に感じる人にこそ、英語以外の外国語を学ぶことをお薦めしたい」ということです。そして、そのために外国語マニアになる必要はありません。一見すると表題と矛盾しそうですが、筆者が外国語マニアになったのは単に自分の趣味嗜好の話なので、特にお薦めしません。ただ、いろいろな外国語を知れば知るほどに、それらの共通点や相違点を追求したくなって、自然とマニアックに育ってしまう人は出てくるでしょう。

そもそも「外国語マニア」という言葉はある種の蔑称です。世のあらゆる言語学習指南書や外国語学習サイトなどには、「単なる言語マニアにだけはなるな!」とか「身につかない外国語学習など無意味だ!」だとか、「そもそも外国語なんぞは、それが得意な人間に任せておれば良く、残りの人生の貴重な時間をわざわざ浪費する価値は無い!」などと書かれていたりして、時間的な投資対効果を重視するプラグマティズム全盛のこの世では多方面から石礫が飛んでくるような情勢です。しかし、そんなことは百も承知のうえで、こうした多数派の意見に対して微力ながらも抵抗を続けています。私の中では「外国語マニア」は自嘲ではありません。

いろいろな言語のいろいろな文字。文字のない言語もある。

自分が触れてきた外国語たち


私は、新しい外国語を身につけようとするためのさまざまな活動が好きです。この活動とは、たとえば 語学書 を読んだり、外国のニュースサイト を見たり、作文 をしたり、海外の方々と交流 したりすることです。海外旅行や海外出張は大好物です。こうした色々な経験をしてきた結果、2017年 2月22日現在、英語、中国語(普通話)、ロシア語、フランス語、韓国語が「できます。」
———母語の日本語を入れてもたったの 6カ国語なので、外国語マニアを自称するわりには、まったく大したことないですね。

但し、「これまでに(ほんの僅かな時間でも)学習した経験のある外国語」という条件で列挙すると、上記の言語に加えて、マレー語、インドネシア語、ウィグル語、クメール語、チャモロ語、セルビア・クロアチア語、スロベニア語、チェコ語、スロヴァキア語、ポーランド語、ウクライナ語、ベラルーシ語、グルジア語、リトアニア語、ラトビア語、エストニア語、ルーマニア語、スペイン語、バスク語、イタリア語、ラテン語、スウェーデン語、ノルウェー語、フィンランド語、デンマーク語、アイルランド語、エスペラント語、オランダ語、アフリカーンス語、ドイツ語、フラマン語、古典ギリシャ語、現代ギリシャ語、教会スラブ語、ラテン語、アルメニア語、トルコ語、イボ語、スワヒリ語、コイサン語、ポルトガル語、ヘブライ語、アラビア語(正則・湾岸方言)、ウルドゥー語、ペルシャ語、パシュトー語、ダリー語、タイ語、上海語、広東語、閩南語、タジク語、キルギス語、ヒンズー語、タミル語、カンナダ語、ベンガル語、シンハラ語、ネパール語、ベトナム語、ビルマ語、アルバニア語、サンスクリット語、アイヌ語………。

漏れがあるかもしれませんが、ざっとこんなモンです。当然ですが、そのほとんど全てを忘却しており、全く身についてなんかいません。言い方を換えると、こうした数多の「挫折」を摺り抜けて、私の脳内で運良くサバイブできた言語が上に記した 5カ国語なのです。まあ、今後いつか記述するかもしれませんが、外国語に関する雑学めいたものだけは積み上がっているので、これを挫折だとは思っていませんけど。

知ることと使えることは別です

臆面もなく「できます」


ちなみに、さきほど「できます」とカギ括弧付きで記述したのは、語彙の多寡や運用能力の巧拙を敢えて無視しての「できる」という意味で使っており、私の場合、例えばフランス語と韓国語については、文字や挨拶、旅行や買い物などのサバイバルがどうにかできるという程度です。それぞれ現地でサバイバルできた実績もあります。

雑感ですが、一般的に日本人は相当に外国語が使いこなせるようにならない限りは「できる」などとは言わないものです。知り合いのアメリカ人などが、せいぜい「こんにちは」「ありがとう」などがタイミング良く言えるだけの程度でも、
“I can speak Japanese!”
と無邪気に言いふらしているのとは対照的です。
 

多言語学習への覚醒


閑話休題。子持ちになって以来のここ 3年間はさほどでもありませんが、かつては寝ても覚めても外国語学習について考えていた時期がありました。その際に得た様々なポイントや情報源についても、コラムの場を借りてまとめていきたいと考えています。

先ほども述べたように、もともと英語に対して強い苦手意識がありました。そのため学生時代は 何か他の第二外国語に逃避したい と漠然と考えていました。子供の頃から「三国志」が好きだったので中国語を選択するつもりでいましたが、たまたま当時の学部には中国語のクラスが無かったため、「ルージュ」とか「ノワール」とか「メゾン」とか「ミルフィーユ」とか、知っているフランス語の単語が目に付いたという消極的な理由でフランス語を選択しました。しかし、やはり中国語への興味が強かったので「べつに授業じゃなくても学べるのでは?」と思い直して NHKのラジオ講座 で中国語を学び始め、同時に授業の復習としてフランス語講座を学習することにしました。今にして思えば、私にとって、これが多言語学習の面白さを知った始まりでした。

語学書マニアとは呼ばないでほしい

まだまだ語りたいところですが、今回は一旦ここまで。次回へ続く…

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筆者紹介

千田 泰史

プロフィール

千田 泰史(Yasufumi Chida)

約20年間にわたり、様々なジャンルの技術講師を務める。
Unix/Linuxシステム管理、カーネル内部構造、コアダンプ解析、
ストレージアレイ、ネットワークセキュリティ、仮想化技術、
インフラ構築、Hadoop・ビッグデータ関連技術など。

趣味は海外旅行。特技は外国語の習得。

◆アワード受賞歴◆
Oracle University Partner Award Instructorの部 第1位受賞
http://www.oracle.com/jp/education/promotion/fy13-ou-kickoff.html

VMware Best Trainer of the Year 2012 受賞
http://jbpress.ismedia.jp/ts/42749/vmaward2012/


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