コラム

製品ライフサイクルの基礎 ~製品の一生を管理するプロダクトライフサイクルマネジメント~

筆者:渡辺 悟史

ERP

2017.03.08


生産管理を行うにあたり、その生産する製品がどんな一生を歩むのか、知っておく必要があります。この、製品が生まれてから衰退していくまでの流れを「プロダクトライフサイクルマネジメント」と呼びます。今回は、その考え方と行わなければならないことをご紹介したいと思います。


プロダクトライフサイクルマネジメントとは


生産管理 を行うにあたり、そもそも製品はどのような流れで作ることが決められ、作られ、販売されていくのでしょうか?今回は、「製品ライフサイクル」として、そんな製品の一生について見てみたいと思います。

そもそも、製品ライフサイクル とは何でしょうか?
製品が生まれてくる前には、まず 市場調査 などを行い、マーケットの動向 などをみた上で、必要となる製品を考えたり、考えている製品が「本当に売れる製品なのか」を、見ていくと思います。

その後、製品の企画 をして、試作品を作るための設計図 を作ります。その後詳細化していくところで、また設計図を作ります。そして 試作品の製造 を行い、評価・改善 を行う作業を繰り返し行います。最後に製品化が決まったところで、大量生産するための設計図 を作成し、製造 して、販売 を行います。
また、製造するために使用する 機械 定期的にメンテナンス をすることになるでしょうし、製造したものの 品質管理 も必要となります。最終的に売れなくなってくると、製品の製造を終了します。

これらを、生産管理者はしっかりと管理していく必要があるのです。これを プロダクトライフサイクルマネジメント といいます。

生産計画をするために必要なデータ


生産計画 を立てるためには、いくつかのデータが必要になります。大きく分けると「生産をするために必要となるデータ」「プロセスを進めるために必要となるデータ」です。

先ほどご紹介したように、製造するためには、まず 生産する製品の設計図 を作ります。設計図といっても1つではなく、製品組立図、組立部品組立図、配線図、部品構成表、材料リスト、作業工程表 などたくさんの種類を組み合わせたものになります。

その中で中心となってくるのが、生産をするために必要となるデータである「部品構成表」、とプロセスを進めるために必要なデータである「作業工程表」となります。
 

部品構成表


部品構成表 とは、何を表しているのでしょうか。実際に見てみましょう。

部品構成表

製造する「製品X」があり、その下に 組立部品 材料 などがあります。また組立部品の下には、それを作るための材料 があります。つまり、机を作るためには、上にある板が必要ですし、足が必要です。足が鉄製だとすると足を作るためには鉄板が必要だったりします。

また、その材料の情報だけでなく、構成数量の情報もそこにあります。つまり 1つの品目(製品/組立部品) に対して、どの子部品が必要 で、いくつ必要か を表したものが部品構成表になります。この組み合わせによって、製品の構成を表す ことになります。

作業工程表


作業工程表 とは、何を表しているのでしょうか。実際に製品や組立部品を製造していくためには、製造現場へ作業を指示 していく必要があります。どのような作業どのような順番 で行うのか、作業は どこで行われる のか、標準時間はどのくらいかかるか を合わせたものが 作業工程表 になります。

作業工程表

つまり、最初に 切断作業 を生産ライン1で1個当たり2分かかり、次に 塗装作業 を生産ライン2で1個当たり1分かかり、最後に 組立作業 を生産ライン3で1個当たり3分かかるというようなことです。

標準時間の設定も、固定時間 変動時間 に分けることができます。例えば、段取時間や片付時間など、個数に関係なく固定でかかる時間 もありますし、製造時間のように個数によって変動する時間 もあります。これらをもとにして、全体の 製造リードタイムを計算 することになります。
 

購買 / 外注の計画


効率の良い生産 をするためには、購買 / 外注の計画 も大事なことです。自社で作るよりも品質のいいものが安価で製造できるのであれば、自社で製造するよりも購買 / 外注したほうが効率的です。また自社に生産設備がない場合や技術者がいない場合にも購買/外注することになります。

また、自社では生産ができない場合に、購買に切り替える こともあります。
購買と外注は、外から調達してくる という意味では同じことを指しているのですが、仕入先が設計 / 製造したものを調達 してくるのが 購買 であり、自社で設計し仕入先が製造したものを調達 してくるのが 外注 です。外注は日本では多く行われている方法です。

外注も、すべてを任せる「一括外注」という方法と、作業工程の一部だけを任せる「工程外注」という方法に分けることができます。あとはどこに任せるかを決めて、価格交渉をしていくことになります。

設備の保全


こうして無事に製造計画ができ、実際に製造を行っていきますが、いつまでも 設備 が問題なく動いて製造ができるわけではありません。設備は 使えば劣化 してくることもあります。それにより 生産量減少、品質低下、納期遅れ、コスト増大 などの影響が出ることが考えられます。

また、生産設備が壊れれば、生産はできなくなりますし、それによって 納品自体ができなくなる可能性 があります。つまり、設備保全 も生産計画を考えるうえで考慮しておきたい要素になります。

それを防ぐためにも、例えば、10,000回使ったらメンテナンスする とか 3ヵ月たったらメンテナンス する、など決めておく必要があります。これを「計画保全」と呼びます。

保全処理はこれだけではなく、オーバーヒートが発生して 機械が壊れてそこから修理 をすることもあります。これを「事後保全」と呼びます。計画保全 をするは、どのタイミングでどんな保全作業をするのか あらかじめ決めておく必要があります。
 

品質検査


このほかにも、生産したものが ちゃんと設計した通りに完成している のか、品質基準を満たしているのか チェックする必要があります。そのためのチェック 品質検査 といいます。もちろん生産したものに対してのチェックだけではなく、購買したものに対して品質基準を満たしているのかチェックすることもするでしょうし、販売した時にチェックを実施して 品質検査書を添付 することもあります。

品質検査においても、どのような項目のチェックを行い、どのような作業をするのかを決めておく必要があります。

最後に


ここまで、「製品ライフサイクル」をご紹介してきました。生産管理には、生産に直接関わる部分以外にも、行わなければならないことが多くあるということが分かっていただけたかと思います。
ぜひ、「製品ライフサイクル」の考え方を根底に持ったうえで、生産計画を立てていただけたらと思います。
 

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筆者紹介

渡辺 悟史

プロフィール

渡辺 悟史(Satoshi Watanabe)

ロジスティクス関連のERP (購買、生産、販売、保全)のトレーナーをしています。

10年ほどロジスティクスを中心にインストラクタをしています。
最近は会計も担当するようになり、
幅広い知識を得られるように頑張っています。


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