コラム

データ、インフォメーション、インテリジェンス ~形を変える「情報」~

筆者:草野 保裕

ビッグデータ
データベース
ERP
JTPだより

2017.04.05


インフォメーション(information)とインテリジェンス(intelligence)、どちらも日本語では「情報」と表現されますが、その違いはいったい何でしょうか?また、その「情報」とは、どのようにして生まれるのでしょうか? 今回は、敢えて「インテリジェンス」を利用する立場から考察してみます。しばしおつきあいください。


データとインフォメーション、インテリジェンスの違いとは


日本語では「情報」としてくくられてしまうことも多い、「データ」「インフォメーション」「インテリジェンス」
ですが、実際には、その「情報」の、使い方や価値によって、意味が異なってきます。

はじめに、言葉の定義を一言で表してみます。すると、次のような感じになります。

インテリジェンス :価値のある情報
インフォメーション:意味のある情報
データ      :存在する情報

ビジネスの世界では、様々な場面でこれらの「情報」を分析 し、現状を把握して将来の計画を立てるなどに 活用 しています。このように3つの種類の「情報」と考えた場合、ビジネスの世界でそれらを利用する、様々な場面が考えられます。

例えば、
・会社を経営する立場
・経営者に助言する立場
・現場を管理する立場   といった具合です。
 

インテリジェンス(intelligence)は朝の情報番組を見るアナタのために


もう少し身近な例で考えてみましょう。

お出かけ前にテレビの情報番組で、その日の天気をチェックする方、いらっしゃいますか?
私のお気に入りの番組では、その日の天気や気温の予想、週間天気予報だけでなく、付加情報として「洗濯指数」「乾燥注意報」「花粉情報」「紫外線情報」などなどと、盛沢山です!

でも、見るヒトによって、情報の要不要がまちまち です。
不特定多数向けに放送されているのですから当然で、受け取る側で取捨選択 する必要がありますが、一部分を切り取ってみれば、ある人にとってのインテリジェンス、つまり「価値のある情報」となっていることがわかります。

ビジネスの世界では、その取捨選択が不要なカタチで提供 されることがほとんどで、特に、経営層が求める レポート は、その性質(一目見ただけで必要な情報だけが得られる)が強く求められることとなります。

ユーザが求める「価値ある情報」を提供するため、それらの「情報」を分析し、可視化する BIツール は日々進化を続けています。BIツールによって、ビッグデータやIoT(モノのインターネット)、業務データの分析に、機械学習や予測分析で、モデリングの自動化を進めることができます。

情報番組のお天気コーナー 価値ある情報がたくさん提供されます

インフォメーション(information)は天気予報の番組のような素材の集まり


テレビの天気予報は、ビジュアル的な工夫により、とても分かりやすく伝えられていますね。インフォメーションからインテリジェンスへの変換 の過程で、受け取る側に最適化 されているのです。

ある天気予報番組では、日本を含む広範囲の地図に、ある時点(前日など)の気圧配置や風向きを重ねて映します。
過去のデータを集約して時系列で連続して映し出し、それに伴う雲の動きや気温の変化などが手に取るようにわかります。そのまま続けて予測(予想)も付け加えて見せてくれます。

気象予報士さんの丁寧な説明もあり、気象衛星から送られてきた画像を見て、観測データを分析したうえで、自分自身で明日の天気の予想をしているような錯覚に陥ります。

実際には、天気の予測をするために集められたたくさんの データ(存在する情報)を、意味のある情報(インフォメーション)へと変換 してくれているのです。

ビジネスの世界では、現場の管理者レベルであれば、インフォメーションという「意味のある情報」から、必要なものだけを取り出して価値を付加する ことも求められることでしょう。

「洗濯指数」や「花粉予報」は必要な人にはインテリジェンス

データ(data)は露場(観測地点)から


気象衛星から送られてきた画像以外に、海の上を含む全国の気温や湿度。これらのデータは、どのように集められるのでしょうか。
日本全国の(実は南極昭和基地にも)あらゆる場所に観測地点が設けられています(富士山頂にもあったりします)。

東京都心の気温などは、北の丸公園の露場(ろじょう)にて観測されます。計測機器として、積雪計、感雨器、温度計・湿度計、雨量計が設置され、定期的にデータを集めています。

集められたデータ は、そのまま活用できるものもあれば、蓄積、分類 などを行い、分析可能なインフォメーションへと加工 され、はじめて「意味のある情報」になるものもあります。

過去の統計データとの比較で、例えば、「昨日よりも暖かく/涼しくなりそうなので、厚着して/薄着でお出かけがおススメです」や、「観測史上初の〇〇」など、付加価値 が生まれます。
データは、そのままでは価値のない情報だったとしても、分析することで「意味のある情報」へと変換 することができるのです。

さらに、特定の意味を、特定の立場の人(または集団)に提供することで、その人(または集団)にとっての「価値のある情報」へと変換することができるのです。

東京管区気象台の地上気象観測施設「東京・北の丸公園露場(ろじょう)」 出典:環境省ホームページ https://www.env.go.jp/garden/kokyogaien/news/2015/08/post_82.html

このように、身近な題材に置き換えてみると、データとインフォメーションとインテリジェンスの違いが、少しだけイメージできるのではないでしょうか。

実際の ビジネスデータ においては、データの量、複雑さが増大 します。また、インテリジェンスとしての 価値の多様性、提供スピード についても、要求レベルが上がり続けています。

JTPでは、それら分析ソリューションに不可欠となる、いろいろな技術分野のエキスパート育成のお手伝いをしています。

注目トレーニング「ビッグデータ」
http://edu.jtp.co.jp/training/bigdata/index.html

データ分析に興味を持たれたら、ぜひ、ご覧ください。
 

おまけ 大手町から北の丸公園へ


天気予報でよく目にする「東京」の観測地点は、2014年12月より、それまでの 大手町から北の丸公園へと変更 されています。

気象庁本庁舎の移転計画に伴うものだそうですが、1964年に千代田区大手町に移転して以来、約半世紀ぶりの実施とのことです。それ以前、1882年以降、130年以上にわたって皇居北側の近接地域で観測が継続されており、長期にわたる観測値が記録された重要な観測地点となっていました。
移転先の選定にあたっては、従来の露場と近隣地域にあり、これまでの観測値との継続性を維持できることなどが考慮されたとのことです。

観測地点の変更に伴い、新旧露場での観測特性の把握のため、同時比較観測を行い、その違いの統計的な評価および、平均値の更新方法についても、考察がなされたということです。

最後に、「気候リスク管理」なるもののご紹介です。
http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/index.html

様々な産業界において、過去の気象観測データや1か月予報などを活用できるよう、「気候リスク」(気候によって影響を受ける可能性)に対応していく方法について、わかりやすく紹介しています。

データをインフォメーションからインテリジェンスに昇華させ、価値のある「情報」として活用するヒントになるかもしれませんね。
 

関連URL

筆者紹介

草野 保裕

プロフィール

草野 保裕 (Yasuhiro Kusano)

ERP製品のインストラクターです。

Sierでのプログラム開発を経て、ERPの世界に。
導入プロジェクトやバージョンアッププロジェクトでの経験も活かし、お客様のご要望に沿うお話ができるよう心がけています。

陸・海・空の乗り物が好きです。


Page Topへ