コラム

様々なロボットと、現在のロボットビジネス

筆者:須佐 亮太

ロボティクス

2015.12.02


前回は、JTPが扱うフランスのアルデバラン社の「NAO」と共に、ロボットの概念、NAOの概要を私なりにお話ししました。あの愛くるしいフォルムの中に様々な技術が詰め込まれ、人と一緒にサービスの最前線に導入されようとしているNAOでしたが、世界で注目されているロボットはNAOだけではありません。今回は、世界で活躍する様々なロボットの姿と、それらが実際にビジネス利用されている現状を踏まえ、ロボット業界がどこに向かっているのか、 ロボットビジネスの理想とは何か、ということに焦点を当てていきたいと考えております。


前回のコラムはこちらから。

ロボットの歴史


初期のロボットの実用機は、米国のユニメーション社が「ユニメート」、同じく米国のAMF社が「バーサトラン」という商品名のプログラム制御型ロボットを、共に1961年に発表されました。

わが国の産業用ロボットは、1960年代に大学などの研究機関や民間企業が試作研究を行っていましたが、1967年に晴海で「ユニメート」と「バーサトラン」が展示され、また、川崎重工業がユニメーション社との技術提携して、国産「ユニメート」の生産を開始した頃から急速に発展しました。これは、まず自動車ボディーのスポット溶接ラインに投入されました。

1970年代に入ると、ファナック、富士電機製造、安川電機製作所が、円筒座標型や多関節型ロボットの実用機を開発し、1970年後半になると神戸製鋼所と東芝との共同開発により、水平多関節型ロボット(通称スカラーロボット)が完成しました。1980年初頭には、国内各社が産業用ロボットの開発に参画し、産業用ロボット開発競争の幕開けとなったのです。

現在、世界で実際に活躍している「ロボット」たちの半分以上は日本製です。産業用として、人の動作の真似をするロボットのみならず、水中ロボット、耐放射線ロボット、宇宙ロボット、レスキューロボットなど、人の行けないところで作業するロボットたちも多く存在します。医療ロボットや、人間の警備員のかわりに夜の無人の会社を守る警備ロボットも、すでに活躍しています。

ただ、ロボットが我々の生活に身近なものになったのは、1999年にペットロボットの AIBO(アイボ) が登場したからではないでしょうか。家の中のロボット(ホームロボット)は、これから次々と出てくるでしょう。たとえば「番竜」や「MARON‐1」は、家の中の状態を外から携帯電話を使って教えてくれる留守番ロボットです。老人のいる家を考えて開発中の生活支援型ロボット「ワカマル」も、デビューが間近です。ロボットが冷蔵庫のように、一家に1台いるというのも、SFだけの話ではなく、次第に現実味を帯びてきました。

日本の技術が生み出した「AIBO」


AIBOは子犬に似せた外見のロボットで、4本足の自立歩行が可能である他、搭載されたカメラから物体を視認し、声による命令を聞き分け、動作パターンなどを記憶・学習することによって個性を備えることなどが可能なロボットです。後代の製品では、リモコンで遠隔操作したり、ユーザーがプログラミングを行ったり、AIBO自らが自発的に充電を行ったりといった機能なども実現されています。

AIBOは発売と同時に爆発的人気を呼び、インターネット販売開始20分で3000体を完売しています。AIBOはその後もさらなる進化を遂げ、最新版では約1000語の言葉を話せるようになりました。

しかしコスト削減および組織改革を進めるソニーは、製品としては販売されなかった「QRIO」という名称の高価な人型ロボットなどとともに、ロボット犬「AIBO」の製造中止を決定しました。

人間の生活の場に初めて登場したロボット「AIBO」

米国iRobot社製ルンバの登場


ソニーがロボット分野に見切りをつけたことで、iRobotなどの米国ロボットメーカーが一応の勝利を収めた格好になりました。例えば、家電量販店の掃除機売り場で、よく見かける「ルンバ」。円盤のような形の胴体を縦横無尽に動かして、室内の掃除を自動で行う便利なマシンは、国内で60万台以上、全世界で800万台以上の販売実績を誇るヒット商品です。

ルンバは家電製品の中では掃除機に分類されるものの、実はロボットなのです。ヒューマノイドロボットと同様、人工知能やセンサー技術を駆使し、人間のように自律的に動き、作業ができるという、ロボットの本質は同じものです。

この「掃除ロボット」という分野を切り開いたのが、ルンバの開発を手掛けた米国のロボットメーカーであるiRobot社です。1990年にボストンで設立され、米国防総省向けの軍事用ロボットで技術を培ってきた会社です。米軍にも同行したことのある多目的ロボット「パックボット」は、事故後の福島第一原子力発電所に調査に入ったことでも知られています。

ロボットは、人間の生活をより便利、快適、安全にしていく可能性を秘めています。特に日本をはじめとする先進国地域では、今後、ますます進行する高齢化社会向けの介護用途などに、有望な技術となりうるでしょう。

お掃除ロボットルンバ

世界のロボットの進化


この流れの中で、登場したのが、フランスアルデバラン社の「NAO」や、ソフトバンク社の「pepper」だと言えるでしょう。今後、多くのセンサーや人工知能を搭載したロボットは、人々の生活に密着し、人々の生活をより豊かにすることを目標に、さらに競争が激化していくでしょう。

前回のコラムで「NAO」を紹介しましたので、今回は、世界の他のロボットをご紹介したいと思います。

家庭用コミュニケーションロボット「JIBO」


JIBOは、MIT(マサチューセッツ工科大学)が開発した、家庭用のコミュニケーションロボットです。詳しいことはまだ判明していませんが、以下のことが可能なロボットという発表がされています。

・See(見る)
 2つの内蔵カメラで、人間の顔を追跡・写真を撮る・ビデオ通話が可能。
・Hear(聞く)
 人間の声を聞き、自然言語処理を行います。
・Speak(話す)
 ハンズフリースピーカーで、リマインダーやメッセージを話してくれます。
 人間が忘れてもJIBOが代わりに覚えてて、音声で伝えてくれます。
・Learn(学習)
 人工知能アルゴリズムを搭載。持ち主の好みを学習します。
・Help(お手伝い)
 パーソナルアシスタントのように、持ち主の日常的なタスクを手助けします。
・Relate(理解)
 持ち主の自然な感情を理解します。

こちらの動画サイトに詳しく紹介されています。

人の感情を「Relate(理解)」するロボットJIBO

「スマートロボット」BUDDY


BUDDYを製作したのは、「BLUE FROG ROBOTICS」社です。フランスの企業で、CRIIFの元エグゼクティブディレクターのRodolphe Hasselvanderが設立した企業です。

このロボットは、電気製品と連動したり、ホームセキュリティ機能も搭載していたり、まさにスマートロボットと言うにふさわしいロボットです。面白い昨日では、家庭用ロボットとして初めて音感センサーを搭載しています。

こちらの動画も併せてご覧下さい。

家庭用として初めて「音感センサー」を搭載したBUDDY

まとめ


経済産業省とNEDOによると、日本国内のロボット市場は2035年に9兆7千億円を超える見通しだという見解があるそうです。

遠い未来のことだと思われてきた「ロボット時代」は、いつの間にか現実に近づいています。とはいえ、生活支援ロボットの浸透はまだまだこれからといえる段階です。今後さらなる巨大産業へと発展するポテンシャルを秘めており、ますます目が離せない業界になるでしょう。

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筆者紹介

須佐 亮太

プロフィール

須佐 亮太(Ryota Susa)

デジタル戦略部 セールスマネージャー
ヒューマノイドロボット NAO(ナオ)、NAOを使った教育プログラム、ロボットアプリケーション営業として、2015年3月に入社致しました。

大学では国文学と社会学を学んでいましたが、様々な縁があり、IT業界に従事しております。
趣味は読書と映画鑑賞。好きな作家は川端康成と宮本輝です。
NAOと共に、精一杯成長していきたいと考えておりますので、宜しくお願い致します。


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